柔軟神経プローブの開発


(東京大学 生産研マイクロメカトロニクス国際研究センター 竹内研究室 との共同研究)

【研究内容】

末梢の神経束や大脳皮質からの多チャンネルの神経信号計測を目的とする神経電極としては,剣山型の刺入電極が提案されていますが,従来のものは製法上の問題から,電極針も電極基板も硬い構造となり,柔軟な神経組織の動きに追従できずに,計測対象の神経線維からの「ずれ」や,神経組織に対する侵襲の原因となっています.また剣山を構成する個々の電極針上に多数の計測点を配置して三次元的な計測を実現するためには,非常に複雑な製造工程をふむ必要がありました.これらの問題点を解決するために,柔軟な構造の神経電極を開発しています.

基板の柔軟化

柔軟な高分子フィルムの基板上にシリコンの電極針が立つ構造の剣山型電極を開発しています.

(東京大学 生産研 藤田研究室,金研究室との共同研究)

プローブ全体の柔軟化

基板も電極針も含めて全体が柔軟な剣山型電極を開発しています.

この電極は,生体適合性の良好な高分子であるパリレンによって金属配線層を挟み込んだ構造となっていて,電極針(刺入部)を折り曲げることによって,剣山構造になります.各電極針は3個の計測点(20μm ×20μm)を有し,6本の電極針全体で18個の計測点を有しています.この電極針は,長さ1.2mm,幅160μm,厚さは10〜20μmです.刺入時に,ポリエチレングリコール(PEG)などをコーティングすることによって,電極針の強度を一時的に高めて使用します.PEGは生体内で急速に溶解するため,すぐに柔軟性が回復します.

【主な担当者】 鈴木,竹内

【関連発表・論文など】


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